考察投稿抜粋/碑文考察:セフィロトの樹 の変更点
-投稿時の発売済み作品:EP1/EP2/EP3/EP4
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*&color(orange){碑文考察:セフィロトの樹}; [#ja4927a5]
part338
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855 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/04/04(土) 16:15:13 ID:le12rQvh
推理と書いたけど、どっちかというと不完全な考察。
碑文の謎を解くのではなく、ウィッチハンター的に意味を解釈してみた。
というのも、絵羽の「ヨーロッパかエジプト」発言を読んで、なぜエジプト? とつらつら考えていたら、
金蔵の黒魔術趣味のことに思い至った。
で、黒魔術についてはほとんど知らないけど、付け焼刃の知識で、魔術的な考察をしてみたい。
エジプトといえば、コプトとグノーシス主義のかかわりで知られている。
コプト教会は、カルケドン公会議で単性説=異端との判定を受けた非カルケドン派のひとつで、
グノーシス主義のような異端との関わりも深い。
それゆえ、コプト教会があるエジプトは、魔術研究のメッカになった。
特に重要なのは、グノーシスの最重要文献であるナグ=ハマディ文書がコプト語で記述されているという点であり、
ヘブライ語やラテン語とならんで、黒魔術をたしなむ者の公用語のひとつだった。
そこで、魔術に造詣の深い金蔵の碑文の謎を、グノーシス的な神秘主義とあたりをつけて考察。
グノーシスと言えば、エヴァンゲリオンでおなじみのカバラ神秘学。
キリスト教と魔術・神秘主義の最大の違いは、キリスト教が人間は無力な存在と考え、
ただ信じて神の救済を待つだけなのに対し、神秘主義は神へ積極的に近づこうとするところにある。
生贄や犠牲を肯定し、儀式をしきりに行うのはそこに由来している。
(このあたりは、金蔵の人生観や、EP4の試験と似通っていて面白い)
グノーシスにおいては、「全なる一者」(正統派における「神」)から万物が「流れ出た」という考えをとり、
その流れをずっと下っていった最下層に、われわれが住む物質世界が存在するとされる。
神が水源、天へといたる経路が川、物質世界が海、という考え方もできるだろう。
人間は、罪を犯したために、神のもとを追われて、物質世界で肉の檻にとらわれている。
(そういえば、ベアトも「肉の檻」という発言をしていた)
肉の檻から解き放たれ、神の座す故郷へ帰還するというのが、カバラ神秘学の究極の目的となる。
ちなみに余談だが、錬金術ももとはエジプトで生まれたもので、
中世以降の錬金術は、物質を神の座まで持ち上げ、賢者の石を得るというカバラ的な考え方が主流になった。
うみねこの物語全体を貫く一つの基調として、「迷子」と「家への帰還」というものがあると思う。
戦人の右代宮家への帰還、魔女の家にとらわれた戦人と、帰還させようとする縁寿の挑戦、
そしてそのメタファーとして使われた「ヘンゼルとグレーテル」の物語。
あるいは、楼座が道に迷い、魔女の家に囚われる構図も、ヘンゼルとグレーテルに相似しているし、
帰還する「家」を失ったことが、真里亜や縁寿の悲劇の要因だった。
そして、鮎は海から故郷の川へと帰還する魚であり、それはカバラ神秘学の構図と相同。
鮎のくだりはわかったが、次の「里」や「岸」がよくわからない。
カバラ=コプト語説に従って、コプト文字を考えると、確かに「里」によく似た文字はある。
wiki コプト文字
ttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/07/Coptic.jpg
これの左上の文字に注目。
刻印文字なので、横や下の文字との組み合わせによっては、里とそっくりの形になることもある。
上の碑文でも、里を横倒しにしたような形になっている。
発音はプヒ。これに相当する発音の文字は英語には存在しない。数秘学における数価は500。
また、岸に似た文字はないが、「ks(クシ、キシ)」と発音する文字はある。同じく、数価は60。
(うみねこは数字がしばしば出てくるので、数字の中に意味を見出す神秘主義の一つ、数秘学もトリックに使われている可能性がある)
ただ、究極的にこのくだりの意味を解くには、金蔵の故郷や他の情報がおそらく必要なのだろう。
戦人ではないが、ここではとりあえず「鍵の選びし六人」は不明ということで、次に進む。
856 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/04/04(土) 16:16:14 ID:le12rQvh
(続き)
カバラの「帰還」への道筋を記した地図として、有名なセフィロトの樹(知恵の樹)がある。
wiki セフィロト
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AD%E3%83%88
これは十の手順を踏みながら、一歩ずつ神の座へ上がっていく儀式を図にしたもの。
ちょうど、碑文の手順も十の晩にわかれている。
第一の晩は物質世界であるマルクト(王国)。金蔵の王国を示す親族会議の場において、生贄が捧げられる。
そして、マルクトは玉座に座った女性の姿で描かれる。肖像画のベアトを髣髴とさせる。
ちなみに、第一の晩に昇る道は「タヴ」、タロットの対応番号では「世界」で、EP1のTIPSの蔵臼の記述のように、「すべての始まり」を意味する。
第二の晩はアストラル界を象徴するイェソド(基礎)。この座の守護天使はガブリエルで、出産と結婚をつかさどり、寄り添う二人を祝福する。
第三の晩はホド(栄光)。碑文の記述のとおり、偉大なものの栄光が讃えられる。
また、第二の晩の二人を祝福するように、守護天使は恋人の象徴であるラファエル。
第四の晩以降、ネツァク、ティファレト、ゲブラー、ケセド、ビナーと、肉体の各部位がそれぞれ破壊されていく。
これは、カバラ神秘学的に解釈すると、肉体の檻から解き放たれる過程を示していると考えられる。
全ての肉体が破壊された後、「ダレット」という経を通じて、第九の晩のコクマー(知恵)に至る。
「ダレット」はタロットでは女帝を示す。六軒島を支配するベアトリーチェを示すものか。
また、コクマーは男性原理を示すもので、実際、第九の晩にはどのEPにおいても男性が殺されている。
そして、守護天使はラツィエルであり、彼はソロモンの書の元となった「ラツィエル書」の記述者であると同時に、
「秘密の場を守る者」の名を持っている。黄金郷を守る最後の座として、また黄金の魔女の名として相応しいといえよう。
そして第十の晩であるケテル(王冠)に至れば、儀式は終了する。
魔術的に言えば、ここで与えられるものは、術者の拠って立つところによって異なる。
錬金術としてカバラ秘術を行えば、黄金が与えられる。
キリスト教徒として考えれば、死者の復活という奇跡が起こるだろう(イエスの復活のように)。
そして、神秘学に考えれば、神の座に昇ったものは神との対面を許され、全ての知識を与えられる。
それはこの事件の真相かもしれないし、記述者の金蔵の立場に立てば、神にも等しいベアトとの対面かもしれない。
いずれにせよ、それは人間が楽園を追放される前にいた「故郷」であり、「楽園=黄金郷」でもあるだろう。
碑文の謎を解くことはできないが、魔術的な意味で解釈できるということが示せたと思う。
最後に余談だが、セフィロトの樹には隠された第十一の座が存在する。
ダアト(知識)の名を持つそれは、十の座をメタ世界から眺めるもので、セフィロトの樹の流れを上から把握する(知識として持つ)存在である。
メタ世界のベアトと戦人の立場を暗喩するものとしても解釈できる。
ちなみに、カバラ秘術を行っている最大の魔術結社として、有名な「黄金の夜明け団」がある。
「黄金」と「夜明け」というのはなんとも示唆的だ。
黄金の夜明け団の代表的な人物としては、二十世紀最大の神秘主義者であるルドルフ・シュタイナーがあげられる。
864 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/04/04(土) 16:29:09 ID:le12rQvh
ちなみに、錬金術に詳しい工学部の知り合いに聞いたところ、
錬金術の起源は古代エジプト。
エジプトの主婦たちが、台所でいろいろ混ぜて実験していたのが始まりらしい。
まさに、「台所の魔女」こそが錬金術の起源だったわけだ。
そこから、カバラ秘術が混ざり、物質を神の座へ至らしめ、賢者の石を得れば、
無限の黄金が与えられるという宗教色を帯びていったらしい。
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866 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/04/04(土) 16:30:59 ID:NRDziDQT
>>855>>856
なかなか面白いな
まさか金蔵はエジプト人!?
869 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/04/04(土) 16:36:53 ID:le12rQvh
>>866
エジプトが重要というだけじゃないかな。
ナグ=ハマディ文書の重要性は、戦後のグノーシス研究史を大きく塗り替えたといわれている。
右代宮文庫みたいなもん。
知り合いにコプト語、ラテン語、ギリシャ語、アラビア語と聖書ヘブライ語が読めて、
グノーシスに詳しい金蔵みたいな先輩がいて、ナグ=ハマディ文書の話を熱く語っていたのを思い出して、
ティンときた。碑文のモティーフはカバラだと思う。
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878 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/04/04(土) 17:11:57 ID:XqRB+F/6
水を差すようで悪いのだが、
もし金蔵がカバラを意識して作ったとして一般人に解けるのか?<碑文
エジプトは、イスラエルを連想だと思ってたけど面白い。
魔女から一転して聖母というのもあったしなぁ
要は逆の意味を持たせて読むってのなら、殺す=罪を浄める、とも考えられる。
頭:変なことを考えるな
胸:胸の内を明かせ
腹:腹を割って話せ
膝:談合せよ
足:地に足をつけよ
って感じ?
883 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/04/04(土) 17:33:55 ID:le12rQvh
>>878
竜ちゃん自身、解けるのは「奇跡」と言っているし、
「よく絵羽はあんなの解けたな」と言ってるから、専門知識を要するものの可能性はある。
それに、魔術師といえばカバラ、カバラといえば魔術師というぐらい、関連の深いものだから、
絵羽のような勉強家ならそこへ至るのは容易だと思う。
個人的には、里や鮎よりも、儀式が「十」の階梯に分けられていることや、
「十三」の人間が死ぬという、数字のほうに着目したい。
十日間に分けられるということで、最初はルネサンス期の異教的著作である『デカメロン』を想起した。
デカメロンとはイタリア語で十日という意味で、
ペストによって外に出られない上流階級の男女が、部屋にこもって十日間、
いろいろな背徳的・背教的な逸話をしゃべるというもの。
どことなくシチュエーション的には似ているが、それ以上に広げられなくて断念した。
十三人の犠牲者という意味では、聖書の使徒および最後の晩餐を想像した。
「聖母」という発想に近いかもしれない。
最後の晩餐はイエスと十二使徒がともに食卓を囲んだもので、合計十三人。
鯖は漁師=第一の使徒ペテロかとか、杭はイエスの処刑、使者の復活は最後の奇跡、
試験は荒野における悪魔の問い、最後の親族会議は「最後の晩餐」がモティーフか、と考えたけど、
死者の数はEPによって金蔵が混ざってるのとそうでないのがあるから、これもあまり根拠がないかなと考えた。
899 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/04/04(土) 18:19:00 ID:XqRB+F/6
>>883
12使徒ってのは、返せば13人目=ユダは”い”ないんだよね。元から
ということで、序列は12位までしかないのかもしれない。
今回は12人揃ったけど、別の時は家具内で補充してるのかも。(源次に12とか)
金蔵=ペテロの可能性は? 懐かしき~川は二重に掛けているとか。
聖書ならゲストハウス図書館にもあるとは思うけど…カバラの本はないだろなぁ
その辺りは自前の知識か。
そういや、一応8人目のトマスは双子って意味がアラム語にあるらしいけど。
戦人が双子?どういう意味での双子かは分からんが。
どちらにせよ、碑文はもっと簡単な気はするけどねー
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920 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/04/04(土) 19:30:12 ID:RSjDY0vC
もしかして犯人はルドルフの操る黄金の夜明け団というカルト集団で
ルドルフ「俺たちはニンゲンを超えた存在、新しい血族だ!魔法使いだぜ!だから赤字の人数制限にも入らないしな、きゃは☆
偽戦人や魔女や山羊とか使って大暴れだぜぇ♪おら、ひれ伏せてめえら、順番に天国に送ってやるからよぅ!」
こんな感じになれば俺は竜に着いていく。
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