考察投稿抜粋/『うみねこのなく頃に』の「読者」と「作者」の関係
- 投稿時の発売済み作品:EP1/EP2/EP3
[編集]『うみねこのなく頃に』の「読者」と「作者」の関係
928 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 08:51:55 ID:e+1uN2O6
竜ちゃんは漫画作者には全部のオチ教えてるんだっけ?
929 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 08:54:04 ID:BR2FZFK/
>>928
もしそうならば、竜騎士はオチを変えられないということになるね。
自分を追い詰めてる枷だね
934 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 08:58:07 ID:Zof1DM1u
>>929
ベアトの正体とルール関連のみだと思う
あと夏海がセーラー服の正体を発売前に知ってたからエヴァの登場は最初から決まってたんだろうな
935 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 09:09:21 ID:RHcK7nhK
追い詰めるって…
最初から真相考えずに作ったら滅茶苦茶になるだろ
936 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 09:11:08 ID:XPqkybEM
ネットの反応を見ながら真相をコロコロ変えているという都市伝説があったなw
937 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 09:28:10 ID:Zof1DM1u
密室トリック関連はその線が濃いと思うな
938 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 09:39:04 ID:BR2FZFK/
>>934
連載形式でこういうのやると、そういう疑いはもたれてもしょうがないんだよ。
本当に変えたかどうかなんて問題ではない
重要なのは読者は「禿はオチを変えてるに決まってる」と思うこと。
そう思われた時点でこの物語は意味を変える。
でも、うみねこは、「読者がそう思う」ことを前提としたつくりに見えるね。
なんつうか、言葉にはしにくいけど
「読者が作者(竜騎士)を疑う/信用しない」
ということが、物語のテーマに組み込まれてる気がする。
本格ミステリは作者を信用してはじめて成り立つから、作者が信用されないことを前提にするのもアンチミステリーなのかね
俺たちは竜騎士を信用しない。
ならば、この物語は「竜騎士という作者から”独立”し得るか」というのが最後の謎解きになるんじゃないのかな・・・
ベアトという仮想が竜騎士という現実を侵食する?
うーむ。やっぱちょっと言葉にしにくいかな。
だが、読者がみんな純真に竜騎士を信用すると、うみねこは絶対に成り立たない物語ってのは「セカイの真相」の一部になってることは確信している。
竜騎士は赤字について作者視点で意地でも保障しない。
あれは、あえて「作者を疑う気持ちを持て。しかし100%疑うことは妄信と同じだ。だから自分で俺が信用できるか、疑うべきなのか、それを考えろ」と釣ってると思う
939 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 09:51:04 ID:Zof1DM1u
うみねこ最大のノイズは「否定することができない」だからな
真相がどの程度固定されてるか推理するってのもアリだと思うね
950 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 10:49:17 ID:WEHNXumo
>>934
>この物語は「竜騎士という作者から”独立”し得るか」というのが最後の謎解きになる
これは非常に興味深い洞察だと思う。
フーコーやバルトが提起した「作者の死」という概念がある。
これは、現代文学評論においてはもはや、「作者(autor)は究極の権威(authority)を持たない」というもの。
バルトの言葉を借りれば、「読むことも一つの創造行為」であり、
テキストが「引用の織物」となって、作者と読者が相互的に物語を織り上げていく、
ポスト・モダン時代の文学状況を表現している。
そういう意味では、うみねこは究極的なまでに「作者の死」という状況を突き詰めた物語なのかもしれない。
物語作者の擬人化であるベアトリーチェと、物語の読解を試みる読者の擬人化である戦人の対話により、
物語自体が作者から権威を剥奪する(しようと挑戦する)構造になっている。
具体的には、ベアトリーチェは物語作者の一義的な権能である、物語における真理、テクストを記述する能力を持っている。
つまり、「赤字で語る」能力がそれだ。
また、無限に物語を紡ぐことや、自分が記述した真理の範囲内で、フィクショナルな現象を引き起こすことも含まれる。
これに対して、読者である戦人の権能は、まず納得するまで物語を拒絶することがある。
作者であるベアトリーチェは、確かに物語の中でどんな奇怪な現象を引き起こしてもいいが、
つじつまが合わないことや、説得力のない記述は読者によってリジェクトされる。
ネットそのほかのメディアが発達した現代では、全ての読者が評論家になりうるため、
作者は物語内で究極の権威を持っているようで、実は読者との暗黙のルール「説得性」にしばられている。
「悪魔の証明」などのベアトリーチェと戦人の対話ルールは、字義通りの科学哲学的な議論ではなく、
作者の記述を読者が受け入れうるかどうかという、物語記述のルールなのではないか。
記述されたテクストから、別の真理が導出可能である限り、作者の意図は読者に対して権威を発揮できない。
例えば、いくら作者が探偵役を動かして真犯人を突き止めても、
その真犯人以外にも犯行が可能であったり、動機があったりするならば、作者は権威を喪失する。
読者はテクストから想像を働かせることによって、作者の提示した真相をリジェクトし、
別の真相を作り出すことで、作者を殺すことができるわけだ。
これが「悪魔の証明」ルールのメタ的な意味だろうと思う。
逆に、読者から無批判の信頼を勝ち得たならば、作者ベアトリーチェはいかなる記述も可能になり、
無限に自分の意思を(物語内の)現実に反映させることができる。
それこそ黄金だろうが、愛だろうが、生命だろうが思いのままだ。
戦人が勝利すると言うことは、記述したテクスト(赤字)から、
読者が記述者の意図から遊離して、新しい物語を読者が紡いでいくことになる。
その瞬間に、物語の作者は死ぬ。
「In other words it is not mystery. But it happens.」
というベアトリーチェの宣言は無効になり、物語は読者の手によってミステリへと再編される。
そうなってはじめて、ひぐらし的な惨劇の回避を模索することが可能になるわけだから、
それはハッピーエンドの前提条件でもあるのだろう。
要するに、当たり前のことだが、「魔女に屈服しない」とは、
作者である竜騎士が記述したテクストの範囲内で、読者側が常に魔女と異なる物語を説得的に紡ぎ続けるという、
その行為自体に他ならない。
竜騎士が今回のEP3の「難易度を下げた」のも、要するに考察をやめた=読者が屈服しかかっているとみなしたからだろう。
うみねこの物語は、作者のテクストから独立し、新しい物語を紡ごうとする読者と、
自分の意図をテクストから引き出し、読者に与えようとする作者との対話行為のメタフィクションだと思われる。
もちろん、「メタフィクションはフィクションから逃れられない」という有名な議論が示すように、
メタフィクションも結局、そのメタ性はフィクション作者が意図して作ったものなのだから、
ベアトリーチェもメタフィクションの作者である竜騎士の記述に従って動いているわけで、
ベアトリーチェを戦人が克服したとしても、その筋書き自体はメタメタ存在である竜騎士の意図に従うにすぎない。
けれども、こうやって読者を挑発し、テクストを考察・再解釈させることによって、
テクストから竜騎士の意図以上の物語を浮き上がらせ、作者/読者関係を解消しようという挑戦的な試みなのではないだろうか。
959 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 11:31:48 ID:BR2FZFK/
>>950
おお、これはなかなか興味深いな。
俺が上手く言葉にできずにぼんやりと考えていたことがなんか形になって現れた感じだよ
>逆に、読者から無批判の信頼を勝ち得たならば、作者ベアトリーチェはいかなる記述も可能になり、
>無限に自分の意思を(物語内の)現実に反映させることができる。
>それこそ黄金だろうが、愛だろうが、生命だろうが思いのままだ。
ここは面白い考え方だよね。
このスレでもあるような「別にどんなアンフェアやトンデモでもいいから、面白い作品作ってくれればそれでいいよ」という作者への信頼だよなこれ。
しかし、そうなると、そういう絶対的な作者への信頼を”屈服”と言い、半ばネガティブに捕らえかねない言葉にしているのがさらに複雑だね。
まぁ、作品としては、屈服しないようにしすぎて相手を信頼しないのはもっとよくない、みたいな書き方になってるから、屈服しないという意思と、相手を信頼するという思いが、二元対立にならないように解消するつもりだろうと思うんだけど。
961 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 11:41:30 ID:Xbroxvlu
>>950は>>122が真相な気がしてきた
───以下>>122抜粋───
122 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/08(水) 00:17:26 ID:R+NkWqGn
くっくっく…! >>49の様、ここまで啖呵を切ったからには妾も語るべきであろう。
お前たちには十分な時間を与えたが、真相には至れなかった。
非常に残念だ、最も真相を冗談交じりで言っていた者もおるが、誰一人として信じていなかった。
さて無駄話が過ぎたな、"本当の真実"を今こそ語ろう。
単純にして明白な答えよ、『真実の答えは"まだ"無いッ!!』 ふ、これが真相よ。
もう少し詳しく説明をしておこう、妾の出血大サービスよ…くっくっく。
お主らは宇宙の屑星の中の"指定"された物を選べるのであろうか?
…如何なる者にも選べまいし数えられまい、それと同じ事よ。 宇宙は無限か有限かは証明できぬ、だが、数限りなく屑星が存在する様にこのゲームにも幾多の推理、答えが存在しよう。
それら無限の推理答えの中で"決められた一つ"の真実を推敲しようなど、出来やしない。
ましてや『ゲームの答えの有無』など、誰にも分からぬ…いや訂正しよう、『作者以外の人間』には到底理解できぬ。
ゲームの中でも戦人が言っておるだろう?「無限にある可能性は否定出来ない。」と。
黄金郷の場所を初めとし、それこそこのゲーム盤には無限をも彷彿させる推理がある。
しかし、もし完全なる"答え"を発見しても箱を開けぬ限りは無駄よ…くっくっく。
箱の中に入っている"答え"は箱を開けれなければ万人に分かるはずがないだろう…?
その箱の中をあれこれ推理し、想像する。
それこそが『今現在の仮の真実であるッ!!』
箱を開けるまでが全ての推理が真実になりうる可能性があるッ!! だから推理を止めるなッッ!! 諦めるなッッ!! 全ての推理を箱の前に並べてみるが良いッ!!
そして「真実の真相」が提示されるまでの短くない期間にしかこの仮の"本当の真実"を味わう事が出来ぬのだッッ!!!
さぁ無能で愚かな人間よ! "本当の真実"を理解するがよい! これこそが今時点での真実なのだッ!!
くっくくくくくひっひひひひひひひひひひひゃっひゃひゃっはっははははーっははっはっはっはっはっはっはッ
───引用終わり───
962 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 11:49:19 ID:jPp28wFB
戦人の勝利条件って屈服しない、でもなく魔法の否定でもなく
戦人が魔法を使う、というか物語を紡ぐ的な最終目標な気がしてきた。
967 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 11:55:24 ID:BR2FZFK/
>>962
正直、戦人って文句ばっかいって、「じゃあどういう物語なら満足するんだ」というと具体的なビジョンがないよね。
圧倒的に想像力が足りてない。
「とにかくみんなが幸せな物語が欲しい! どんな物語かは俺は思いつかないけど! でも誰かが俺を満足させる物語を作ってくれるはずだ!」
みたいな、2ちゃんのアニメ板にいるような厨房と対して変わらんというか
だから戦人の代わりに俺たちが、戦人の満足するような物語を考えてやれってことはありそうだけど
973 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 12:26:34 ID:HxdPJ5hM
>>967
ベアト どんな物語でも満足
戦人 どんな物語でも満足しない
971 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 12:21:08 ID:zMQ0O7Uh
>>950
くッくくくくく……………!!!
貴様の解説は愚劣な人間共にとってロノウェ並に分かりやすかろうなァ!
なるほど、普通の人間なら十二分に納得させられる理論であるぞ、確かにな
『推理は可能か、不可能か~アンチファンタジーVSアンチミステリー』
…………などというサブタイトルよりも、余程!この世界の真理に近いのは確かだ!
だがなァ、>>950……………一つだけ貴様の理論よりも確かなものがあるぜェエ?何だと思う?言うよ?
言っちゃってやろうかよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!?
赤字だッ!『竜ちゃんはそこまで考えてない』!!!
くひゃぎひゃひゃははっはあああああ!!!!!!!
974 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 12:28:45 ID:N725WsIF
戦人がベアトに文句を言った気持ちはわかるんだけど
顔面耕しやハロウィンのこともベアトの仕業にしたのは変だと思った
あれは結果として残ってる、つまりブラウン管の外の現象だから
戦人の立場からはベアト=魔法説のせいにしてはいけないんだよ
なんか犯人は人間だけど残虐行為は魔女のせいって
すごく都合のいいことを言ってるみたいで何だかなあ、と
982 名前: 950 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 12:59:34 ID:WEHNXumo
>>959
>そういう絶対的な作者への信頼を”屈服”と言い、半ばネガティブに捕らえかねない言葉にしているのがさらに複雑だね。
そのあたりは竜騎士の挑発行為だと思う。
エヴァで庵野が「真相は墓場まで持っていく」と言い、作者の権威を放棄することによって、
結果的にテクストの解釈・考察や二次創作が爆発的に増えたように、
テクストを作者のものにするのではなく、独り立ちさせるためにあえて厳しいことをやっているんじゃないかと。
まあ、エヴァのようにセカイの謎を放り投げるようなことはせず、
たぶん、きちんとした真相は提示されるんだろうけど。
これは俺の勝手な意見なんだけど、作者への絶対的信頼を取り付けるのが作品にとって唯一の勝利だった時代は終わり、
むしろ作者への反発や懐疑を誘うことによって、作品世界を拡張する、そういう時代になっているのではないか。
竜騎士の言に従えば、
「少しの情報を与えられただけでそれを全てわかったようになってしまうのが
人間の悪い癖。マスゴミが身近な例。うみねこではそれをかなり皮肉ってる」
ということだが、それは作品解釈においても当てはまるのではないかと思う。
作者の意図という、「権威」に飛びついて、
権威の生み出す安易な物語、例えば殺人事件をパソコンゲームの所為にするといったような風潮を、
テクストの権威者自身が権威を相対化することによって、皮肉っているのだろう。
(実際、この世界で最も多くのテクストと物語を生産しているのは、マスコミだしね)
988 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 13:14:11 ID:WEHNXumo
コテついたままになってた。消すわ。
>>967
満足する物語を作るというのは、ひぐらしの主題だったよね。
でも、今の状況だとひぐらしの「犯人探し」の前の状態で、ミステリにすらなっていない。
魔女が好き勝手に振舞える世界なんだから、何度物語をループさせても、
物語を作り出すことすらできない。
だからまず、世界そのものを、魔女の手にある世界から、
人間の論理が支配する世界に戻さなくてはならない……ってことじゃないかな。
>>974
顔面耕しやハロウィンも、テクストの記述者に対する怒りと考えれば、なんとなく納得できる。
残酷な事件を面白おかしく記述する作者がいたならば、
作者が行為者でないとしても、読者は作者に対する反発や怒りを抱くだろう。
戦人も、別にベアトの仕業だと言っているわけではなくて、
それを面白おかしく揶揄し、描写したベアトに対する怒りなんじゃないかな。
戦人自身もそんなことを言っていたような気がするし。
994 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 13:27:29 ID:WEHNXumo
>>971
>赤字だッ!『竜ちゃんはそこまで考えてない』!!!
そこがこの議論の肝で、ぶっちゃけ竜騎士が何を考えているかは関係ない。
「作者の死」というのは、テクストから導出できる論理で、
作者の意図を超えた解釈ができるのであれば、
作者の権威を超越して読者の解釈が作品としての真理となるんだってこと。
もちろん、それを避けるために、読者の解釈を叩き潰すようにテクストを拡充するのは、
作者である竜騎士の権能であり、ベアトリーチェの赤字の効果なんだけど、
もしそれをやりすぎて、説得性を失う記述をした場合、作品世界そのものが潰れて、
読者の勝利になる。
11 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 13:34:15 ID:BR2FZFK/
>>1乙
前スレの「読者が作者の意図を超えるだけの説得力のある推理をすることが勝利条件」っていう説なんだけど、
罪以降は色々と批判もされていた、ひぐらしにおいて、「作者を完全に凌駕する完成度の高い物語」を構築できた発想ってありました?
トリック単体でなく、「ひぐらしはこういう話になるんだろう」って物語として。
156 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 17:52:23 ID:WEHNXumo
>>11
前スレでその説を長々と書いた者だが、
ひぐらしはそういう構造の物語じゃなかったんだと思う。
普通、RPGにしろアドベンチャーにしろ、ゲームは主人公が幸せになるような選択を模索する。
ひぐらしも、リセットを繰り返して、部活メンバーが幸せになるルートを探す物語で、
通常、メタな立場にあるプレイヤーを、梨花(ベルンカステル)に擬人化したメタフィクションだったのだろう。
だから、一つの「正解」があり、それを当てられるのかどうかにある種のゲーム性があった。
(もちろん、正解以外の解答を提示し、説得力をもつ可能性はあったのだろうが、
ひぐらしの段階では、竜騎士はそこまで考えていなかったのだと思う)
ひぐらしに対して、うみねこはメタ性が一段高い。
テクストの制限内で真相を探しているプレイヤーと、プレイヤーが見つけた可能性を片っ端から叩き潰す作者を、
さらに擬人化して、それを上から見下ろしている。
これは完全な推測なんだけど、「ひぐらし」の結末に対していろいろ出た批判を受けて、
それに解答するかたちで「うみねこ」が作られたんじゃないかなと思う。
「ここまで引っ張っといてこの結末かよ。説得力がない」
「ミステリのルールに反している! ノックスの十戒! ヴァン・ダインの二十則! ふじこっこ!」
↓
「そこまで言うならお前らが説得力のある物語を見せてみろや」
「ミステリの百年の歴史とやらで俺の物語を打ち倒してみろ! No Dineなんだよ。ぷげら」
ベアトを作者(≒竜騎士)、戦人を読者と読み解くことで、うっすらと教訓が見えてくる箇所もある。
例えば、前スレで出ていた、殺人劇の過剰な演出に戦人が激怒するシーン。
戦人は「こんなのが面白いと思ってるのか」と言っているけど、これは作者の自戒・反省の表現であるように思われる。
某殺人事件の時にひぐらしが槍玉にあがり、2chのスレでさえ、「こんなに残虐な演出をする意味があるのか」と叩かれていたけど、
そういう批判に対してこのシーンで返答しているのではないか。
「北風と太陽」作戦にしても、ファンタジーで燃えや萌えを表現して、
ミステリ文脈で物語を読み解き、作者のファンタジー描写をテクスト読解から否定する気力を失わせる、
「あなたはこれでも私のファンタジーを否定しますか?」という作者の挑発のように思われる。
幸せな物語を拒絶してでも、緻密なテクスト解釈に基づいた論理的なミステリで応答できるか、
それを竜騎士は問いかけているのだろう。
「In other words it is not mystery.」という挑戦的な宣言は、
「In all sense it is mystery.」と読者が反論するのを期待しているのだろうし、
ルールXYZと同じく、ミステリ文脈に解体するのは本当の意味での「幸せな物語」を構築する大前提だ。
314 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 21:13:38 ID:0/JI+643
>-今回梨花が序盤に皆殺し編の記憶を失っていたのは、ユーザーとして失望だったのですが。
>[竜]:だって梨花が知っていたらユーザーの力は必要ないじゃないですか。
>-なるほど。
>[竜]:プレイヤーと言うメタ的神の存在がないと救われないということ、「貴方は信じてくれた?」という言葉の通りです。見る事は出来ても語ることの出来ないユーザーの代理として存在している。
>祭囃し編でやたらと仕切り屋になっているのは、プレイヤーが言いたかった事、やりたかった事を全て彼女がやっているということになるわけです。
>一部のプレイヤーさんは、皆殺し編の時点で「48時間」にトリックがあることに気づいておられた、48時間で滅んでいない話も実際存在しますから。その方々はまさに羽入を通じてそれを伝えられたわけですね。
>そういう意味では、深いことを考えずに第八話までこられた方は、急に仕切り屋のキャラクターになって、なんだ!?と思われたかもしれませんが、シナリオに対する考察をしっかり固められていた方々にとっては、
>彼女はプレイヤーのまさに代弁者だった訳です。だから最後のオチとして、そんな神の存在は幕が下りたら退場すべきかもしれない。けれど退場しなくていい。ここに残っていいんだよ、と。
>つまり、貴方はもうこの世界の一員なんですよという形で終わらせたかった。「あなたの魂と共にあれ」ということです。
少し古いが「ひぐらしのなかせ方5」より。
前スレの「竜騎士の考える"プレイヤー”と”作品”と”作者”の相関関係」の推理から見直すと興味深いね。
「だって梨花が知っていたらユーザーの力は必要ないじゃないですか。 」はすごい象徴的なセリフだと思う。
これを、誰にでもわかりやすく顕著にあらわしたのが、赤字「戦人は無能だ」なんだろうな。
コメントはありません。 コメント/考察投稿抜粋/『うみねこのなく頃に』の「読者」と「作者」の関係?
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